2018年09月07日

九九式とKar98k

きょうは比べるネタ、WWⅡ各国ボルトアクション
シリーズ第二弾?独Kar98kと日九九式を。



これらはどちらもエアーソフトガンで、Kar98k(画像右)は
マルシンのエアーコッキング(カート式)ガン、九九式
(画像左)はタナカの非カート式ガスガンです。



まずは先端のフロントサイトから。
どちらもガードが付けられてますが、Kar98kは別部品の
薄板で全周を覆い、フロントサイトが日光で反射するのを
防いでいます。

九九式は上からのガードはないものの、サイトベースと
一体で、強度的にも優れていると思います。
このガード、サイト取付のためか、角穴(通常の錐でなく
スロッター加工?)を開けており、製造にはKar98k以上の
手間をかけてるような、ですね。



機関部に移って。
ボルトの分解用レバーは、両者非常によく似ており、
操作方向どころか指掛け形状まで同じ。

しかし、九九式は三八式から受け継いだ伝統の
ボルトカバーが装着でき(画像のにも付けてます)、
機関部に異物が入りにくいよう工夫がされています。
ボルト自体も、セフティがボルト本体と同軸のシンプルな
形状ですね。

ただ、狙撃バージョンを除いてボルトハンドルが水平に
伸びており、操作性は良いもののちょっと邪魔になりそう。

あ、カバーで見えてませんが、九九式はオーバーロードの
ガス圧を(ケースを破って)抜く穴が開けられており、
安全性にも優れているそうです。



前回のスプリングフィールドM1903と同じく、ストック中央に
機関部固定用?ボルトが配置されており、このへんの構造は
各国共通のような、ですね。

Kar98kのストックには、曲げたボルトハンドルを掴みやすいよう
抉りが設けられてますが、九九式は前方に保持用の溝を彫り、
加工の手間、という点では負けてない!

あ、あんまり画像に出てきませんが(笑)、九九式は珍しいモノポッド
を装備(後に省略)、ストック止めバンドも、この取付を兼ねている
こともあってか、板バネストッパーではなく、ネジ止めになってます。
これはクリーニングロッドを納めるフロントバンドでも、で、通常分解
しない所では工具を使うという設計思想なのかも(ストックを分解
するには、どっちにせよドライバーが必要だし)。



弾倉底板、トリガーガード周りも、Kar98kは2本のネジ、九九式は
3本です。

しかし、九九式はプレス鋼板でピストルグリップ部までタングを延長し、
角が当たって傷むのを防いでいます。
うーん、きめ細やかな心遣い!



そしてリアサイト。
Kar98kはスライダーを前後させて上下調整するタンジェントタイプ、
九九式は短距離と長距離でサイトを変え(画像のように起こすと
長距離)調整は直接サイトが上下します。

更に!九九式は機関銃でもないのに対空照尺まで装備(画像は
展開した状態)!!

うーん、九九式、気合が入ってる(コレが実際役立ったか、は?ですが)。

ただ、九九式は三八式のオープン型から(照準線長が長くとれる)
ピープ式に照門を変更したにも関わらず、目の直前ではなく、
従来の機関部の前に置いています。

これは上記のボルトカバー装着などが原因かも、ですが。



ストックは実物だとどちらも上下分割組み合わせ式(九九式では
再現されてます)で、これは強度アップのためだったとか。
今なら木材が(当時に比べ)高騰してるので、コストダウンの
効果も、ですね。

バットプレートも九九式では上部にタングを延長してネジ止めしており、
ともかく材料、手間共にかけた丁寧な作り(末期には木製の
バットプレート!とか、やっちゃいますが)が印象的、対してKar98kは
斜めに成形したり、凹ませてネジを付けており、合理的なカンジですね。

どちらもバットプレートがカップ状にストックを覆っており、
保護性は高いです。



前回の米M1903はKar98kにかなり似ていましたが、
九九式は三八式から多くの要素を引き継いだのもありますが、
ともかく手間を惜しまず最大限盛った!豪華な印象です。

これを歩兵の標準装備とした(もちろん間に合わないので
三八式併用でしたが)日本は、でも決して裕福ではなく、
いや機関銃などの装備は遅れをとっており、ドイツと比べると
明らかに差はあったと思うんですが、、、
拘っちゃう”国民性”??
(こういう締めでいいのか?
ともかく他ネタ挟んで、ですがまだシリーズ続ける予定)。




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この記事へのコメント
こんばんは。
以前の比較記事も拝見して、
日本 ドイツ アメリカの3挺を比較すると、
現代の自動車の造りに、何か共通点を感じる!!
何十年経っても、物造りのDNAは変わらない・・・・

ますますヒカリモノにハマってます。
刻印が違うだけで欲しくなる!だいぶ重症です!!
Posted by 松本市在住 at 2018年09月07日 20:23
紅い猫RRⅢ 様
70年代のGun誌の九九式開発の連載記事は何度も読み直したおもいでがあります。記事中で開発者の銅金義一大佐が拘ったのは 「量産化対応設計」 だったようです。三八式が一丁毎に一人の職人の手で組み上げられたことから生産性が上がらず、部隊配備後の修理部品交換も容易ではなかったようです。さらに完成検査の試射も職人判断を排し標準化するために、現代のランサムレストのような射撃検査台を考案したそうです。銅金義一氏は戦後は六四式の開発にも関わった人物です。銅金氏と開発に従事された岩下賢蔵氏のGun誌の記事は重みのある内容でした。
Posted by ないとあい at 2018年09月07日 21:10
松本市在住様こんばんは。
>物造りのDNA
まあ戦中から戦後に変わっても、実は人間が同じ!だったりしますし!!
それに、ひいては人生観や習慣,性格まで(細かいところに拘る、とか)物作りに反映するのかも、ですね。

>ヒカリモノ
コハダですか?それともアジ??(おいおいっ!)
SUS風メッキも良いですが、タナカさんの最近のニッケルも良いですよ~!!
Posted by 紅い猫RRⅢ紅い猫RRⅢ at 2018年09月07日 23:22
ないとあい様こんばんは。
>Gun誌の九九式開発の連載記事
まだその時期はGun誌を読んでなかったかも、です(残念!)。

互換性と生産性の向上は、米国などが進んでいたのに対して、日本はなまじ”手先が器用”
かつ”職人気質”の国民性が邪魔して、「公差とか規格作るより、チャチャっと削って
合わせちゃった方が早い!」的なトコロが邪魔したのカモ、ですね。

たぶんそのあと、ですがイチローさんが米国のコレクターさんの日本軍ライフルを
撮影したのもありませんでした?
二式スポーターなんかも出てきて、その影響か、モデルガンも作られるに至ったような、です。
Posted by 紅い猫RRⅢ紅い猫RRⅢ at 2018年09月07日 23:38
紅い猫RRⅢ 様
二式スポーター記事は1977年12月号ですね。
ボルトのエンジンターンの仕上げに目が釘付け
この記事だったか? ボーマーリブ・ロングフロントサイトが付いたガバの写真も記憶にグサリ!!
下記の方が記事を紹介されています
ttps://ameblo.jp/hiradama/entry-11005328033.html

前述のGUN誌掲載の「99式小銃哀史」の抜粋を下記の方が紹介されています。まさに量産化設計のくだりです。
ttps://blogs.yahoo.co.jp/gungungun46/24059883.html
Posted by ないとあい at 2018年09月08日 08:04
>ストック中央に機関部固定用?ボルト<
ストックを左右に横から貫く丸い部分の事ですよね、あれはリコイルボルトです!

弾丸を発射すると当然反動が起こりますね。
その時にバレル機関部はストック上を、後方に滑る様にスライドする力が生まれます。
その力を上手くストックに受け流す為に、バレルがネジ込まれるレシーバーテノン部の下側に延びた箇所が、
ストックと噛み合う様に成っていますが、テノンの鉄とストックの木が直接噛み合ったのでは、
当然木の方が負けます。
そこでストックを左右に貫いて頑丈な金属製のボルトを設けて、金属同志で噛み合せて居るのです。
この様な反動をストックに伝える構造は、殆ど全てのボルトアクションに有ります!。
Posted by ご意見有用 at 2018年09月08日 10:55
追伸

御存知とは思いますが、一般的な型式のライフル等において、
バレルレシーバー機関部を、ストックに取り付ける事を「ベディング」と言います。
ベディングでは固定する役割を、レシーバー後端タング部と前端テノン下(裏)側に、
垂直にネジ込む二つのボルトが主に担ってます。(軍用の場合は各バンドも)
因みにこの二つのボルトは只ネジ込めば良いと云う物では無く、其れ成りのテクニックが必要です。
ベディングを適切に行は無いと、命中精度に関わりますからね。

ベディングを適切に行っていれば、レシーバー機関部とストックの摩擦も適切なので、
ある程度は反動も抑えられますが、固定用の前後二つのボルトは反動の為の物ではありません。
大半の反動を受けるのは、あくまでもクロスボルト型式のリコイルボルトなのです!。
Posted by ご意見有用 at 2018年09月08日 12:41
ないとあい様こんばんは。
>ボルトのエンジンターンの仕上げ
ボルトアクションライフルのボルト以外にも、SAAなどのハンマー側面にも
しばしば施されていますね。

>ボーマーリブ・ロングフロントサイトが付いたガバ
大きく伸ばされたフロントサイトはオドロキでした。
発射ガスで大丈夫なんだろうか、とか!
Posted by 紅い猫RRⅢ紅い猫RRⅢ at 2018年09月08日 19:51
ご意見有用様こんばんは。
>リコイルボルト
トイガンでは反動が無く、またマガジンやホップ機構を納める必要があるためか、
表面上の”飾り”になっちゃってます(笑)。

レミントンM700などは、レシ-バー前方にラグを設けていますが、WWⅡ期では
ストックにクロスボルト、が一般的だったようですね。
Posted by 紅い猫RRⅢ紅い猫RRⅢ at 2018年09月08日 20:33
ないとあいさんのコメントに「六四式小銃」が出ていたので、ついでに書かせて貰います。

御存知でしょうか?、実は六四式にもレシーバー機関部を左右に貫くクロスボルトが有るのを。
と言ってもリコイルボルトでは有りません。
正確に言えば、クロスボルト型式のロッキングラグ、又はロッキングリセスですね。

六四式のブリーチボルトの閉鎖開放方式は、チルトアップ&ダウン式(揚動式)、
所謂ボルト落とし込み方式です。
この方式はボルトが前進閉鎖する時に、ボルトの後端が下がって、
レシーバーの一部と噛み合う事で閉鎖を完了します。
六四式のボルトは当然鋼鉄ですが、レシーバー機関部は軽合金です。
もしそのままで噛み合ったならば、レシーバーの方が負けて直ぐにへたります。
そこでレシーバーの噛み合う箇所であるロッキングラグ部分だけを、鋼鉄製のクロスボルトにしているのです。

六四式のレシーバーの左右を良く見ると、中央部分に◯の中に□のレリーフみたいな模様が有りますが、
あれが正にクロスボルトのロッキングラグなのです。
Posted by ご意見有用 at 2018年09月08日 23:04
ご意見有用様 こんばんは
六四式の開発ではFNのM1949やFALを参考にしたものと想像します。チルトダウン式のFALにも六四式同様のクロスボルトがあります。六四式のクロスボルトの名称は「閂子(せんし)(閂=かんぬき)」で、おそらく本体「銃主部」が切削優先の鋼材としたことで閂子部を別部品にしたものとおもいます。他の素材も適材適所にしたのか?スライド部上面は鉄鋳造肌そのままになっていますね。引金室体部がアルミなのはよいとして、下部被筒までアルミにした理由が?? しかも挟むだけの固定で隊員泣かせ・・ やはりネジ止めにすればよかったのに・・脚とぶつかってガチャガチャうるさい!木製でもよかったかな? 照星と弾倉止めは折れないようにプレス加工に改修するべきだった・・ そんなこんなで愚痴っていたら~ 陸自の89式の来年の調達要求がなくなったみたい~ いよいよ新小銃の出番ですね♪ 89式は海空自に逐次供用替で六四式もついに用途廃止ですね。
Posted by ないとあい at 2018年09月09日 00:45
六四式の開発段階では様々な作動方式が試されましたが、小生の読んだ津野瀬光雄氏著「幻の自動小銃」では、
旧軍の九六式及び九九式軽機と、それらの原型であるチェコ系ZB26&ZB30機銃(英ブレンガンの元)を参考にした、
と書いて有りましたね。

ガス圧利用でブリーチボルトの閉鎖開放方式が、チルトアップ&ダウン方式の自動小銃において、
材質が如何であれ、レシーバー機関部のロッキングラグ(閂子)を別部品としたのは、
消耗や摩耗やヘタリに因る、部品交換の事を考えたのが主だと思います。

もしレシーバー機関部とロッキングラグが一体部品ならば、交換せねば成らぬ時には、
レシーバーまるごと交換しなければなりませんから。
その点別部品にしておけば、ロッキングラグだけ交換すれば良いのですから。

もちろんレシーバー機関部側のロッキングラグは、通常の整備では簡単には分解出来無い様に成っているはず。
おそらく特殊工具を使うか、工場に送り返すかで成ければ無理だと思います。
六四式でも多分カシメられているのでしょう。
Posted by ご意見有用 at 2018年09月09日 08:03
ご意見有用様、ないとあい様こんにちは。
>クロスボルト型式のロッキングラグ
アッパーレシーバー(スライドが納まる部分)は削り出しで、ラグ部分を残して
上部から削るのが困難(端をスロッターのようなもので仕上げる必要がある)
なため、横から打ち込んだ(カシメ)のでは?です。

九四式でも南部乙型(甲は知りませんが)でも、フレームを別部品合わせとし、
一部カシメで付けており、まあ日本の伝統かも、ですね。

ちなみに、ワルサーP38の戦後型アルミフレームでは、64式と同じように
ロッキングブロックが当たるトコロに補強材が貫通するカタチで埋め込まれてます。

64式はタフなので、89式の寿命の方が先に来て、廃棄され始めてる、とか。
恐らくロッキングブロックも交換を考えた(それなら上から入れて側面からネジ止め、
とかにする)、というより、製造工程上(なんせCNCなんぞ無い時代の設計ですから)の省力化、だったのではないかと。

64式の問題はサイトの倒れ、煩雑なセフティ/セレクターですよね。
連射時の命中性重視で、連射速度が低く、バイポッド付きで重い(本体は比較的軽量カモ)、
などは、バトルライフルというより、軽量機関銃(BARのような)的な使い方を
考えていたから仕方ないのかも、です。
Posted by 紅い猫RRⅢ紅い猫RRⅢ at 2018年09月09日 10:58
あ、上で64式のレシーバーの”上から”と書いちゃいましたが、
機械加工の際、上下ひっくり返して加工、と想定されるためで、
組み立て時の状態だと下(マガジンが付く側)からの加工、です
(追記訂正)。
Posted by 紅い猫RRⅢ紅い猫RRⅢ at 2018年09月09日 12:35
 
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