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2012年04月15日

バレルの異形穴加工

きょうは加工技術を考えるシリーズ第2回目?で、
バレルの異形穴加工について、です。

バレルの異形穴加工

19世紀のコルトパーカッションリボルバーは、バレルとシリンダー軸を
ウエッジ(楔)で固定しています。

バレルの異形穴加工
画像はHWSのM1860ショートのバレルで、ウェッジ(左のパーツ)を
抜いたところです。

この角穴は、まず丸穴、もしくは長円(両端がアール状)の穴を開けて、角は
直線運動する刃物、スロッターなどで切ったんじゃないか、と思います。

スロッターは現在でも使われていて、モータの回り止めキー溝なんかをコレで
掘っています。

時代は下って、20世紀半ば、コルトは最高級リボルバー、パイソンを発売しますが、
このバレルには、角穴のクーリングホールが開けられています。

バレルの異形穴加工

こちらは穴の前後がアール状に堀り込まれており、どうやら回転する円盤状の刃先
を持つ刃物を左右から当てて、角穴を開けたような形、です。

効果に疑問があった、という面もありますが、やはり手がかかり過ぎる、という事
なのか、コルト以外でこのクーリングホール加工をコピーするところはしばらく
出て来ず、またロウ付けなどで溝を掘ったリブを乗せる、という手法はありましたが、
角穴加工はずっと後になってコルス,トーラスがようやくコピーし始めたんじゃ、
とか思います。

さて、パイソン登場から10年ほど後(1965年)、当時普及しだしたある加工法を
使ってハンドガン,ライフルなどのバレルを加工するラリー・ケリーという
カスタマーが登場します。

そう、その加工はマグナポートという商標で有名になったもの!
マズル付近の側面にガス抜きの穴を開け、噴き出すガスの反作用で反動を
低減する、というカスタムです。

バレルの異形穴加工

加工法は形彫り放電加工と呼ばれ、削りたい形に成形したグラファイトなどの型を
オイルに漬けたワーク(加工物)に近づけ、電気を流して両者の間に放電、
このアークで型の形に掘っていく、というもの。
(上の画像 左のパーツは、放電加工用の型を模して作ってみたダミーです。
バレルはタナカ M29ですが、この加工はフライスで削っています。)

電気スイッチの接点がON-OFFを繰り返すと減っていきますが、ここからヒントを
得たんだとか。

1946年にソ連で研究され、日本でも1953年には加工機が製品化、1965~73年
頃には、複雑な形状の底付き穴加工が出来ることで金型製作などで大活躍した
加工法です。

形彫り放電加工は、バレルなど鋼で硬く(といっても、割れると困るのでそう
硬度は高くないハズ)、形状的に貫通させられない、また大きな力や高熱
(が全体に、の場合)で歪むのが困るものには丁度良い加工法で、もしかすると
フレームからバレルを外さずに加工しているのかも、とか思います。

思えばウェッジ自体を角を丸めた形にしたほうが、応力が角に集中してヒビが入る、
といった事態が起こらないし、パイソンも貫通穴にせず、S&Wのようにリブに溝を
掘るだけでも良かったかもしれません。

マグナポートの台形?も、普通の長円形とどれだけ効果に違いがあるのか、
とも思いますが、やっぱりインパクトはコノ形状ですよね。





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この記事へのコメント
>マグナポート

Googleで検索すると、
「マグナポート」と呼ぶものがあるが、これはマグナポート・インターナショナル社の商品名」
とでてくる。

なんと、この穴あけ加工だけで会社ができてしまうのか。
おそるべし、発明の力。
で、ということは、穴あけ専門の会社なのかな?
Posted by 元町愛 at 2012年04月17日 21:55
赤い猫RRⅢさん こんばんは

古くなりますが、Gun誌1973年10月号の表紙が まさに このM29マグナポート仕様の発射シーンです
ポートからのフラッシュが素晴らしいですね
このM29はポートを加工してからメッキしたモノとおもわれますが
全体の仕上げが これまた素晴らしいです
それから見落とせない点がフロントサイトが別パーツの初期モノです
本体が鏡面のニッケルメッキでリアとフロントサイトがブルー仕上げでポート付きとなると~ タダモノではありません
Posted by ないとあい at 2012年04月17日 23:05
元町愛様こんばんは。
>マグナポート・インターナショナル
ポートの種類はいくつかあるようですが、基本的に穴あけ加工専門、のようですね。

加工賃は普通の穴あけからするとビックリ価格、なのと、いわゆる大企業ではないようなので、
これだけでも十分成り立つようですね。
Posted by 赤い猫RRⅢ赤い猫RRⅢ at 2012年04月17日 23:58
ないとあい様こんばんは。
>Gun誌
ご紹介の記事は見たコトが無く、残念です!

その後、Gun誌ではイチローさんがM29 4インチマグナポート付きを撮影されたコトがあったような、ですが、
いつの号か確認できていません、、、

戦後しばらく、まではS&Wの仕上げはとても良く、ブルーでも”水をうったような”滑らかな表面だったそうですね。

画像のモノはABSを自分でヘアライン化したものですが、タナカさんはジュピターやスチールフィニッフュ、
以前はミッドナイトブルーなど、金属風仕上げに力を入れてくれていて、モデルガンでスチールなんか
作ってくれたら、また一丁欲しくなってしまいます。
Posted by 赤い猫RRⅢ赤い猫RRⅢ at 2012年04月18日 00:15
 
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